トランプ大統領・ネタニヤフ首相 共同記者会見:米以同盟の強化と中東和平の行方

テーマ

2026年1月、再選を果たしたドナルド・トランプ米大統領とイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相が、フロリダ州パームビーチで行った共同記者会見です。両首脳による会談の成果報告、強固な日米同盟の再確認、そしてイランやハマスを含む中東情勢への対応方針について、メディアに向けて語られています。

ポイント

  • 史上最強の米以関係とイスラエル賞授与: ネタニヤフ首相はトランプ大統領を「イスラエルにとって最高の友人」と称え、慣例を破り、外国人として初めて「イスラエル賞」を授与することを発表しました。
  • ハマスへの武装解除要求: トランプ大統領は、ハマスに対し短期間での完全な武装解除を要求。従わない場合、イスラエルだけでなく周辺アラブ諸国を含む多国籍軍によって壊滅させられるだろうと警告しました。
  • 対イラン強硬姿勢の維持: イランが核開発や軍事力の再構築を試みているとの情報に対し、トランプ大統領は「非常に強力な結果」を招くと警告し、過去のソレイマニ殺害や経済制裁による成果を強調しました。
  • FRBパウエル議長への批判: トランプ大統領は、米経済が好調(GDP4.3%成長)であるにもかかわらず、FRBのジェローム・パウエル議長を「無能」と激しく批判し、更迭や訴訟を検討していることを明らかにしました。

引用

  • ネタニヤフ首相「ホワイトハウスにトランプ大統領がいることほど、イスラエルにとって、親密な友人と呼べる存在はいなかった」
  • ネタニヤフ首相「我々の80年近い歴史の中で、イスラエル人以外に授与したことは一度もないが、今年、その賞をドナルド・J・トランプ大統領に授与することを決定した」
  • トランプ大統領「中東には平和がある。我々はそれを維持するつもりであり、その維持に成功するだろう」
  • トランプ大統領「彼ら(ハマス)は非常に短い期間内に武装解除することになる。もし合意通りに武装解除しなければ、彼らはその代償を払うことになる」
  • トランプ大統領「もしイランが(核開発を)行っているなら、彼らは大きな過ちを犯していることになる。結果は非常に強力なものになるだろう」
  • トランプ大統領「パウエル(FRB議長)は全くの無能だ。彼に対する『重大な職務怠慢』での訴訟を検討している」

詳細要約

米以同盟の称賛とイスラエル賞の授与

ネタニヤフ首相は、トランプ大統領との会談が非常に生産的であったと述べ、両国のパートナーシップは「比類なきもの(second to none)」であると強調しました。トランプ大統領が中東において、イスラエルとの距離を置くことなく、むしろ緊密に連携することで平和を実現したと称賛しました。 その感謝の証として、ネタニヤフ首相は、通常イスラエル国民にのみ授与される権威ある「イスラエル賞(Israel Prize)」を、外国人として初めてトランプ大統領に授与すると発表しました。これはトランプ大統領のイスラエルおよびユダヤ民族への多大な貢献を称えるものです。

ハマスの武装解除とガザ地区の今後

トランプ大統領は、ハマスの武装解除についてスティーブ・ウィコフとジャレッド・クシュナーが担当していることに言及し、ハマスに対して「非常に短い期間」での武装解除を求めていると述べました。もしハマスが合意を履行しない場合、「代償を払うことになる」と警告し、イスラエルだけでなく、「ハマスを排除したいと願う」周辺のアラブ諸国(59カ国が署名した合意に基づく)が行動を起こす可能性を示唆しました。 また、ガザ市民の半数以上が機会があれば移住を望んでいるという世論調査に触れ、ガザの人々がより良い環境へ移動できる機会があれば、それは良いことかもしれないとの見解を示しました。

イランへの警告と地域情勢

トランプ大統領は、自身が前任期に行ったソレイマニ司令官の殺害やイラクへの対応によってイランの力が削がれ、それが現在の中東和平(アブラハム合意など)の基礎になったと主張しました。イランが再び軍事力や核開発を増強しようとしているとの報道に対し、「以前破壊した施設とは別の場所を使っているかもしれないが、我々は場所を把握している」と述べ、燃料を無駄にして爆撃機を飛ばすような事態(軍事攻撃)を招かないよう警告しました。 また、サウジアラビアとの関係正常化についても「彼らは素晴らしい」と述べ、アブラハム合意への参加を含め、関係構築が順調に進むとの見通しを示しました。

国内経済とFRB議長への攻撃

記者団からの質問に対し、トランプ大統領は現在の米国経済が予想を上回る4.3%のGDP成長を記録していると自画自賛しました。その一方で、FRB(連邦準備制度理事会)のジェローム・パウエル議長を「無能」「いつも対応が遅すぎる」と酷評しました。 特に、FRBビルの改修工事に巨額の予算(40億ドル以上)を投じていることを「建設史上最も高額な単価」として槍玉に挙げ、「重大な職務怠慢(gross incompetence)」で訴訟を起こすことすら検討していると発言しました。

まとめ

この会見は、トランプ政権下での米国とイスラエルの蜜月関係を象徴するものです。トランプ大統領は「戦時の大統領」としてのネタニヤフ首相を全面的に支持し、中東の安定は「強い指導者」同士の連携によってのみ維持できると主張しました。イランやハマスに対しては圧倒的な力による抑止をチラつかせつつ、国内では自らの経済手腕を誇示し、対立する当局者(パウエル議長)を容赦なく攻撃するという、トランプ流の外交・内政スタイルが色濃く反映された内容となっています。