テーマ
本動画は、ホワイトハウスの大統領執務室(オーバル・オフィス)にて行われた、ドナルド・トランプ米国大統領と韓国のイ・ジェミョン(李在明)大統領による米韓首脳会談の様子を記録したものです。会談は冒頭の発言と記者団との質疑応答を含み、経済協力(特に造船業)、防衛産業、北朝鮮問題、そしてウクライナやガザ地区を含む世界情勢について、両首脳が意見を交換し、強固な同盟関係を確認する場となっています。
ポイント
- 造船業における米韓協力の強化: 米国の造船能力の衰退を懸念するトランプ大統領に対し、韓国側が技術協力と投資を約束し、米国内での造船業復活(ルネサンス)を目指すことで合意。
- 「ピースメーカー」としてのトランプ大統領: イ大統領はトランプ氏を単なる平和維持者ではなく、積極的に平和を作り出す「ピースメーカー」と称賛。トランプ氏は自身の北朝鮮外交(金正恩氏との関係)や、ウクライナ・ガザ紛争への介入意欲を強調。
- 北朝鮮問題へのアプローチ: 過去の緊張関係(「ロケットマン」発言等)から良好な関係へと転じた経緯を振り返り、トランプ氏はヒラリー・クリントン氏が大統領であれば核戦争が起きていたと主張。韓国側はトランプ氏による膠着状態の打破に期待を寄せる。
- 日米韓の連携: トランプ氏は自身が日韓関係の改善に寄与したとし、歴史的問題(慰安婦問題)を乗り越えた日米韓の協力体制の重要性を説く。
引用
- トランプ大統領「第二次世界大戦中、我々は1日に1隻の船を建造していた。しかし今日、我々はもはや船を造っていない。これは馬鹿げたことだ。我々はそれを再び始めるつもりだ」
- イ・ジェミョン大統領「大統領の、平和を守る機関としての米国の役割を超えて、新たに平和を作っていく『ピースメーカー』としての役割が本当に際立っていると思います」
- トランプ大統領「金正恩委員長と私は非常に良い関係だった。私が就任した当初、我々は『ロケットマン』などと言い合ってやり合っていたが、ある日電話があり、そこから対話が始まった」
- イ・ジェミョン大統領「朝鮮半島の平和の世紀を必ず開いてくださることを期待します。大統領がピースメーカーをしてくだされば、私はペースメーカーとして一生懸命支援します」
- トランプ大統領「もし私がその選挙(2016年)で勝っていなければ、ヒラリー・クリントンが勝っていたら、北朝鮮との核戦争が起きていただろう。それは誰にとっても悲惨なものになっていただろう」
詳細要約
1. 冒頭挨拶と貿易・経済協力
会談は、トランプ大統領が多くの記者団が集まったことを「多くの国よりも関心が高い」とジョークを交えて歓迎するところから始まります。
- 貿易再交渉への言及: トランプ氏は韓国側が貿易協定の再交渉を望んでいることに触れ、「彼らが望むものを得られるとは限らないが、議論は構わない」と牽制しつつも、真剣な議論を行う姿勢を示しました。
- 造船業の復活: トランプ氏は、かつて第二次世界大戦中には米国が「1日1隻」のペースで船舶を建造していた歴史に触れつつ、現在の米国の造船能力が著しく低下している現状を「馬鹿げている」と嘆きました。これに対し、世界的な造船大国である韓国に対し、米国の造船所への投資や技術協力を求め、米国内での造船業を再興させる意欲を表明しました。
- 韓国側の呼応: イ・ジェミョン大統領は、トランプ氏の指摘に同意し、韓国の造船技術と製造業のノウハウを活用して、米国の製造業ルネサンス(復興)に貢献したいと応じました。また、米国製軍事装備の購入についても言及し、B-2爆撃機などの優秀性を認め、今後も購入を続ける意向を示しました。
2. 「ピースメーカー」としての役割と北朝鮮問題
イ大統領は、新しく装飾されたオーバル・オフィスを称賛しつつ、トランプ大統領の外交姿勢を「ピースメーカー」と表現し、世界各地の紛争解決に向けたリーダーシップに強い期待を寄せました。
- 金正恩氏との関係: トランプ氏は、金正恩氏との関係について詳述しました。就任当初は互いに敵対的な言葉(「ロケットマン」など)を交わし、核戦争の一歩手前まで緊張が高まっていたものの、平昌オリンピックへの参加を巡る電話協議をきっかけに劇的に関係が改善したと振り返りました。
- 戦争回避の功績: トランプ氏は「もしヒラリー・クリントンが大統領になっていたら、北朝鮮との間で核戦争が起きていただろう」と繰り返し主張。ソウルが北朝鮮の砲撃射程内にある危険性を指摘し、自身の外交手腕が数百万人の命を救ったと強調しました。
- 北朝鮮の現状認識: イ大統領は、トランプ氏の退任後(バイデン政権下)に北朝鮮が核・ミサイル能力を増強させ、朝鮮半島情勢が悪化したと指摘。「この問題を解決できる唯一の人物はトランプ大統領だ」と述べ、早期の米朝首脳会談の実現と、平壌へのトランプ・タワー建設やゴルフ外交への期待を冗談交じりに伝えました。
3. 世界情勢(ウクライナ・ガザ・中国)への対応
記者団からの質問に対し、トランプ氏は現在進行中の国際紛争についても言及しました。
- ウクライナ戦争: ロシアのプーチン大統領、ウクライナのゼレンスキー大統領双方と良好な関係にあるとし、自身が介入すれば戦争を迅速に終結させることができると主張。「死者数や費やされた金額は報道以上だ」とし、早期解決の必要性を訴えました。
- ガザ地区の紛争: イスラエルのネタニヤフ首相とも連絡を取り合っているとし、人質解放と紛争の早期終結を求めていると述べました。また、米国がガザ地区への食料支援を行っていることにも触れました。
- 対中関係: 習近平国家主席とも連絡を取っているとし、関税政策などを通じて経済的関係は以前より対等で良好なものになりつつあるとの認識を示しました。中国からの留学生受け入れは継続する意向を示しつつ、重要な資源(磁石・マグネットなど)の供給網については米国が主導権を取り戻す必要があると語りました。
4. 日米韓協力と歴史問題
記者から日米韓の3カ国協力について問われた際、トランプ氏は日韓関係の改善を自身の功績の一つとして挙げました。
- 歴史的背景への理解: トランプ氏は、日韓の間に「慰安婦問題」などの難しい歴史的課題があったことを認識しつつ、それを乗り越えて協力関係を築くことの難しさと重要性を語りました。
- 日本の姿勢: 日本は韓国との関係改善を強く望んでおり、現在の日本の首相とも良好な関係にあると述べ、3カ国の連携が今後さらに強化されるとの見通しを示しました。
5. 米国内政(治安・国境・エネルギー)
会談の後半では、米国内の課題についても触れられました。
- 都市部の治安: トランプ氏は、民主党が運営する都市部での犯罪増加を批判しつつ、首都ワシントンD.C.では(皮肉交じりか事実としてか)「ここ11日間殺人事件が起きていない」とし、強力な法執行の重要性を説きました。
- 国境管理: 過去90日間、不法入国者がゼロであったと主張し、厳格な国境管理政策の成果を誇示しました。
- エネルギー優位性: 米国が世界最大の石油・ガス資源保有国であることを強調し、「風力や太陽光などの頼りないエネルギー」に依存せず、豊富な資源を活用することで経済的優位性を保つ考えを示しました。
まとめ
この動画は、トランプ大統領が「力による平和」と「取引(ディール)」を重視する外交スタイルを全面的に押し出した内容となっています。韓国を重要なパートナーとして遇しつつも、造船業への投資や防衛費負担、対北朝鮮政策において米国の利益を最優先する姿勢が鮮明です。一方、韓国のイ・ジェミョン大統領は、トランプ氏の自尊心をくすぐる言葉(「ピースメーカー」など)を巧みに使いながら、膠着する北朝鮮問題の打開や経済的な実利を引き出そうとする戦略的な対話姿勢が見て取れます。全体として、個人的な信頼関係をベースに、経済・軍事・外交の多岐にわたる課題を一挙に解決しようとするトップダウン外交の典型例が示されています。